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zoom RSS 久喜市の財政が厳しいというのはどこまで本当か

<<   作成日時 : 2015/02/18 09:21   >>

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行政当局は必ず「財政が厳しい」と言うものだ

 通常、行政当局は予算編成に際して、歳入はできるだけ固く確実なものだけを小さく見込み、歳出の各事業予算は大きめに見込んでおくものだ。
 実際に予算に基づいて財政運営していって、歳入が予算額よりも少なくしか入らなかったら歳入欠陥になりかねないし、歳出が予算よりも膨らんだら財政がパンクしかねないので、もしそうなれば財政担当者は甘すぎる財政見通しの責任を問われることになってしまうから、それが財政担当者の常識と言っていいのだろう。

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 久喜市の場合はどうか(合併後の各年度の当初予算額と決算の額を比較してみる)。
   わかりやすいように、億以下の金額は切り捨ててある。

           当初予算額    決算額                残高
2010年度歳入歳出 437億円 → 歳入 462億円/歳出 439億円  22億円
2011年度歳入歳出 429億円 → 歳入 456億円/歳出 431億円  24億円
2012年度歳入歳出 440億円 → 歳入 463億円/歳出 441億円   21億円
2013年度歳入歳出 455億円 → 歳入 475億円/歳出 454億円  20億円

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 実際に予算と決算を比較すれば一目でわかるように、当初予算と比較して、毎年度の歳入は20億円以上増額となっているが、歳出額は年度途中の新規事業があるにもかかわらず、決算額はほとんど予算額から増えていない。
 その結果、毎年の歳入歳出差し引き残高は20億円以上にものぼることになる。

 当初予算編成に当たっては、歳入はできるだけ固く小さく見積もるから、議会や市民に対して「財政が厳しい」と説明するための数字の操作の意味も持つことになる。

当局の言うことを鵜呑みにしてはいけない

 議員は、行政当局の作ったこれらの予算・財政の資料を見せられて、当局の説明を鵜呑みにしてしまうのでは話にならない。
 よく市民から相談を受けて、当局の言葉そのままに「久喜市の財政が厳しいから新規の事業ができない」と言い訳している議員も多いのだが、それでは議員の役割は果たせない。

 ただ初めに断っておくが、私は、『久喜市の財政は余裕があって裕福だから、まだまだ財政支出を拡大していく余地がある』などというつもりはない。
 ましてや、基金を取り崩して、税金を引き下げるべきだ、公共料金を安くして(無料化して)いくべきだ、新規事業もどんどんやっていくべきだ、などというつもりもない。
 財源は限られているのであって、それをどう使うかは、行政の優先度をどう判断するかの問題である。
 「財政が厳しいから市民要求に応えられない」と言い訳するのは誤りであるが、事業選択の問題であると考えている。

 しかし残念ながら、議員の中には市民に対して、当局の「財政が厳しい」というPR資料をそのまま受け売りで伝える人もいる。

 最近配布された貴志議員の「市政レポート 第4号」は、当局の説明資料の(みせかけの)数字をそのまま丸写しにして、当局に代わって『いかに久喜の財政が厳しいか』を市民に押しつけようとした、(残念ながら)たいへんオソマツなレポートと言うしかない。

画像


 上の棒グラフは、昨年3月に市の財政課で作成した「久喜市中期財政計画」に掲載された、国からの地方交付税交付金および市の貯金である財政調整基金の中期的な見通しを、貴志議員がわかりやすくグラフにまとめたものである。
 しかし、そもそも「中期財政計画」の数値自体が、1年経過してみると実際の財政と大きく異なってきているのであって、信用できない。
 好意的に言っても、あくまでも「予測」にすぎないシロモノであった。

 まずこのレポーでは、地方交付税交付金が2013年度から減り始め、2013年度 55億円 → 14年度 50億円 → 15年度 49億円 → 16年度 39億円 → 17年度 35億円と、年を追うごとに急激に減っていくように書かれている。
 しかし実際には、2013年度 59億円、14年度 57億円と計画を大きく上回っているのであって、15年度は予算編成の段階ですでに52億円だから、決算までにはかなり大幅に増えるとみていい。
 してみれば上のグラフの16年度、17年度の予測数値も信用はできないではないか。

当局の予測と違って、財政調整基金はまだ増え続けている

 次に、財政調整基金を見てみる。
 グラフは、2013年度末の積立残高 55億円 → 14年度末 40億円 → 15年度末 38億円 → 16年度末 28億円 → 17年度末 15億円へと急減していくように書いている。
 しかし実際にはどうか。
 すでに2015年2月の現時点で、2014年度末の財政調整基金残高見込額は55億円に達する見通しであることが、他ならぬ久喜市財政当局によって明らかにされている。
 【平成27年度 久喜市予算の概要の最終ページ、久喜市基金残高一覧表を参照】

 1年前の当局の見通しでは、昨年3月時点で55億円あった財政調整基金が、今年3月には40億円に減るとしていたのに、減るどころか40億円を大きく超えて、昨年度末とほとんど同じ残高が確保されるというのである。

 なぜそうなったか。
 当初予算編成時点では「歳入が不足するおそれがある」という理由で、財政調整基金を大幅に取り崩して歳出に当てるという予算を組んだのだが、実際には年度途中で歳入が大きく増えれば取り崩しをほとんどしなくてすむ。
 歳入が年度途中で大きく増えるのは、毎年決まりきったことだから、財政当局ははじめからそれを見込んで、予算の時だけは基金を取り崩すという形にしておいて、「減るぞ、減るぞ」と言っておくけれども、途中で基金の取り崩しをやめる、結果的に基金残高は減らさないですむ(本当は最初から減らすつもりはない)というわけである。

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 毎年の財政調整基金残高の推移を見てみよう。

(A)当該年度末の残高見込み    (B)各年度末の実際の残高
                       2010年度末の財政調整基金残高 29億円
2011年度末残高見込み 24億円 → 2011年度末の財政調整基金残高 35億円
2012年度末残高見込み 19億円 → 2012年度末の財政調整基金残高 45億円
2013年度末残高見込み 29億円 → 2013年度末の財政調整基金残高 55億円
2014年度末残高見込み 39億円 → 2014年度末の財政調整基金残高 55億円
2015年度末残高見込み 35億円 → 2015年度末の財政調整基金残高 (?)

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(A)は、毎年の予算議会で、当局が示した積立残高の見込み(予測)である。
 私は毎年、財政調整基金残高の見通しを質問しているが、財政当局は必ず、「年度末には積立額がこんなに減ってしまう」と答弁するのが習いである。
 この数字だけ聞かされれば、「基金が標準財政規模の1割を大幅に割り込んでしまう。これでは久喜市の財政が破綻してしまう」と信じ込んでしまう議員もいるのだろう。
(B)は、年度末になって実際の積立額である。
 年度末になってみれば、当局の予測はまったくはずれて、減るどころか、毎年毎年、逆に大幅に増えてきているのが常である。

 2014年度末だけは2013年度末の55億円とほぼ同額であるが、これは、いつもであれば財政調整基金に積み立てるお金を、本多静六記念市民の森整備基金やごみ処理施設整備基金に9億円を振り向けて、基金の名目を変えただけで、基金総額ではむしろ大幅に増えている。
 さて、いま開かれている2月定例市議会に、当局またまた「2015年度末は35億円に減る」という予測を出してきていて、当局自身が1割の目標値を割り込んでしまうと危機感を煽っているのだが、実際にはどうなるだろう。

 もしかしたら当局は「財政が厳しい」と言っておいて、各課からの歳出拡大圧力をはねのけながら、財政調整基金残高を増やすことそれ自体を追求しているのではないか。
 実際、議会での私の質問に対して、数年前までは、財政調整基金は市の標準財政規模(ほぼ一般会計規模と考えてもいい)の1割程度が望ましいといって、せっせと積み立て額を増やしてきたのであるが、とうに1割を超えた最近では、本会議で基金の目的を問うと、「多ければ多いほどいい」と答弁するようになっている。

当局の説明をみずから検証するのは議員の責任

 こうして見てくると、市当局が昨年作成した『中期財政計画』は財政が厳しいことをことさらに強調するために作られた数字であって、そのままそっくり信用する方がおかしいシロモノであった。
 市民の代弁者であるはずの議員が、逆に行政当局の代弁者になってはいけないと思う。

 まず議員であれば、当局の出した数値や資料に対して、それを鵜呑みにしないで、自分で検証し、確認するべきだったろう。
 しかも、経済や財政はいわば生き物のようにたえず動いているのに、1年前の(古い)当局の計画書・資料を、現実の実際の数値を比べて見もせずに、自分の「市政レポート」に使うというのもあまりにもオソマツではないか。

 久喜市のホームページに《財政・予算・決算》の情報はすべて公開されているし、議員全員に配布されている市の予算書や決算書を開いてみれば、財政分析は自分でできるはずだ。
 いずれにしろ、事実と違っている情報を受け売りして、市民に間違った情報をばらまいてはいけない。

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