「言いたいことがある」 久喜市議会議員/猪股和雄

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zoom RSS 巨大学校給食センター計画がそのまま復活した

<<   作成日時 : 2018/08/31 12:36   >>

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 市長選挙で、梅田市長が「理科大跡地への巨大学校給食センター建設計画の見直し」を公約していた。
 私たちは田中市長への多選・長期政権による久喜市政のよどみへの批判を込めて、梅田市長を応援した。

 当選後には、市議会で梅田市長が「1度、立ち止まって考える」と表明していたから、私たちは、田中市政が強引に推し進めた1万2000食の巨大センター建設方針に対して、“何らかの見直し”を行う可能性に期待してはいた。
 いったん動き出した公共事業をストップさせて方針を転換するには、残念ながら市長のトップダウンの決断しかないというのも現実であった。
 そこで、私たちは5月に
「学校給食センター建設の見直しにかかる緊急提言」⇒リンク
を提出して、梅田市長の決断を求めてきた。

 もっとも梅田市長自身は、学校給食の理想の形である自校調理方式について、特に見識やこだわりがあるわけでもない。
 また、教育委員会事務局のお役人たちからの“まきかえし”や、議会で学校給食センターを推進した最大会派や公明党の議員たちからの圧力も激しかったから、実際に何らかの見直しに踏み切れるかどうか、困難かもしれないと感じてもいた。

 この間、梅田市長は、市内の久喜、菖蒲、鷲宮、栗橋地区のそれぞれのセンターや調理場を視察し、試食も行い、さらには長野県松本市や静岡県袋井市の学校給食センターも視察して、いちおうは真摯に検討する姿勢を見せてはいた。
 松本市や袋井市の給食センターは、全国のセンター方式の学校給食の中では比較的高く評価されているのは確かである。

 私たちは、全国で初めて政令指定都市で全小中学校の自校調理方式転換を実現したさいたま市の話も伝えたが、市長はそれを調査対象に加えようとはしなかったから、最初からホンネはセンター方式しかないと考えているのかもしれなかった。

 そして8月27日、市議会全員協議会で、梅田市長から学校給食センター建設“見直し”結果についての報告があって、それは結局は「1万2000食の巨大学校給食センターを、理科大跡地の予定地に建設する」という、田中前市長の計画をそのまま復活させるというものであった。

 なぜ、前市長の計画を丸呑みするという結論に至ったか。
 市長は5つの視点から再検討したとしているのだが、最大のポイントは、やっぱり“センター方式の方が安上がりで財政効率がいい”というに尽きる。
 学校給食のあり方としては自校調理方式が理想であり、調理方式として比較すればセンター方式よりも優れていることは自明のことなのだが、そうした自校調理方式のメリットについて、真摯に検討した形跡はない。

 梅田市長がセンター方式に戻った理由として述べたのは、
 『自校調理方式は、センター方式に比べて相当な期間と費用を要し、安定的な学校給食の提供や財政運営にも不安を残す』『(他の)老朽化した学校家計施設全般の改修のための財源確保が大きな課題となっている』ということだけである。

 その一方で、私たちが指摘してきたセンター方式のデメリットの数々については、大量調理による食中毒などの危険の拡大は衛生管理基準を遵守すれば対応は可能で、保温食缶などで温かいものは温かい内に配送できる、調理後2時間以内の喫食(文科省の基準)も配送方式の工夫で可能と説明する。
 しかしこれらの説明は“センター方式のデメリット”について、“センター方式でも、何とかカバーできないことはない”という、いわば言い訳と言うしかない。
 そうしたやり方で、センター方式のデメリットがいくらか軽減されるとしても、完全に払拭できるという保障はない。

 市長は、『学校給食の質の統一』と述べて、これまで5方式で行われてきた給食の方式を統一するというのだが、子どもたち第一の給食という立場に立つなら、学校給食の理想型である自校調理方式での『質の統一』をこそめざすべきである。

 市長はまた、『アレルギー対応』は自校調理方式ではむずかしいと思い込んでいるらしいが、これは市長自身と教育委員会の勉強不足と言うしかない。
 新センターでは、アレルギー対応は、専任の栄養士や調理員を配置して、各学校のアレルギーを持つ子どものためのそれぞれの代替食を、センターのアレルギー専用調理室で一括調理することになっている。

 たとえば、さいたま市や蓮田市の自校調理方式でのアレルギー対応はどうなっているか。
 私たちが実際に視察して、栄養士さんや校長先生のお話も聞いてきたのだが、そこでは学校に配置された栄養士が、その学校の1人1人のアレルギーの子どもの状態に対応して、除去食や一部は代替食を調理していた。
 それらの市では、他の子どもたちのための献立と基本的には同じにして、アレルギーを持つ子どもの給食からその子のアレルギー食材だけを除いたり、他の食材と入れ替えたり、最初からアレルギー物質の入った食材を使わないメニューにするなどで、アレルギー対応をしている。
 つまり、他の子とメニューが違う代替食を提供するのではなくて、できるだけ他の子と同じものを食べられるような工夫をしていたのである。
 市長と教育委員会では、アレルギー代替食を出せばいいと簡単に考えているようだが、そんな単純な話ではない。

 市長はまた、センター方式でこそ地産地消を推進していくことができると言う。
 それは保冷機能付きの保管倉庫なども整備した上で、JAなどからの一括納品を進めるということであるらしいが、本来ならセンター方式でも自校調理方式でも、地産地消を進める上では違いがあるはずはない。
 むしろ、蓮田市などではまちの小規模な業者から計画的に納品してもらいながら地産地消を進めていたのだけれど、久喜のセンター方式で食材はJAなどからの一括納品を考えていくのだとしたら、市内の中小業者からの食材調達はすべてなくしていくことになるのだが、それでいいのか。

 当初は、今年度から2か年でセンター建設にかかる予定で、今年度当初予算に9億3556万円の工事請負費を計上していたが、9月議会に提案された補正予算で全額を削除し、あらためて来年度に着工して、2021年8月からセンターを稼働させる方針が示された。

 何のことはない。
 「大山鳴動してネズミ一匹」も出なくって、計画が1年遅れただけというのでは、梅田市長の“見直し”方針に期待した市民も、また逆にセンター建設継続を主張した新政や公明党の議員さんたちにとっても、「梅田さん、何を考えてるの?」ということになりかねない。

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