久喜市の公共交通を考える(1) 市内循環バス

久喜地区の市内循環バスは今のままでいいか

 久喜市内の公共交通は、鉄道(JR、東武鉄道)、路線バスの他、地区を限った形で、市の委託で市内循環バスとデマンド交通を運行しています。
 久喜地区は市内循環バスが7路線、4台のバスで時間や系統をやりくりしながら運用していて、1日に多くは5~9便、東循環だけが12便を運行しています。
 1時間に1本、あるいは2時間に1本しかバスが来ないとなると、出かける時に利用しても、帰りの時間には都合よくバスが来ませんから、結局、自転車か自分の車、あるいは家族に車で送ってもらって行くことになってしまい、バスを利用する気にはなれないというのが実情です。

 約30分で一周できるようにコースを組んでありますが、六万部北中曽根線(5便)は約1時間半、、除堀所久喜線は約1時間で一周しています。
 さらに路線をもっと延ばして、久喜地区外でも乗降できるようにしてほしいという要求も根強いのですが、これ以上、一周の運行時間を長くすると、目的地まで行くのにさらに時間がかかって、使い勝手が悪くなり、かえって不便になる怖れがあります。
 市内循環バスを使う場合、目的地まで15~20分くらいで行けないようなら、やはり自転車か車で行く方が便利だということになってしまいます。

 7路線で全部で66便を運行していますが、その約3分の2は平均乗車人数が10人以下です。
 下早見循環、野久喜吉羽循環は全便とも10人以下、東循環は12便中10便、東西循環と久喜本循環は半分が10人以下です。
 これらの利用実態にも、循環バスの使い勝手があまりよくないので、循環バスよりも車に頼らざるをえない市民の実感が表れています。

 車の利用を減らして公共交通に切り替えていくためには、循環バスをもっと利用しやすくしなければなりません。
 そのためには、
 (1)循環バスの運行は市街地を中心にして、30分くらいで一周できるように路線を組み直し、目的地まで15~20分くらいで行けるようにする
 (2)また各路線には、せめて1時間に1本を運行し、買い物でも公民館などの会合でも、行き帰りに利用できるようにするべきだろうと考えています。
 そのためには、バスの台数を増やせればいいのですが、逆に平均乗車人数が5人に満たない路線は廃止して、(1)(2)の路線の充実に振り向けることも検討するべきではないでしょうか。

 (3)路線の見直しについては、特に朝日バスや大和バスのような民間の路線バスが運行し、競合している路線は、民間路線バスの乗客を確保して運行を継続してもらうためにも、循環バスの運行は見直してもいいのではないでしょうか。
 路線バスが東、西ともおもに東西に運行しているので、循環バスは路線バスのない地域、たとえば市役所を起点に、路線バスのルートを横切るように、南北に走らせるというのも一つの考え方です。
 たとえば障がい者デイケア・けやきの木の利用者の内の何人かは、久喜駅東口から野久喜吉羽循環で通っているのですが、この方たちについてはけやきの木の送迎バスを運行するか、朝日バスでふれあいセンターで下車して、ふれあいセンターから社協の車で送迎してもいい、あるいは朝日バスの障がい者割引の差額補助制度を作る方法も考えられます。

 私たちはともすると、市内循環バスで市内のどこにでも行けるようにすればいいと考えてしまうのですが、民間路線バスの乗客を奪って経営が成り立たなくなれば、路線バスが運行できなくなる怖れもあるのです。
 そうなっては公共交通政策としては後退ですから、民間との共存が前提でなければなりません。

 次に、デマンド交通およびデマンドバスの実証実験について、考えてみたいと思います。