新ごみ処理施設の建設をこれ以上遅らせてはならない

 久喜市は、新ごみ処理施設を建設して、現在3か所の清掃センター(焼却炉)で行っているごみ処理を一本化する計画を進めてきた。
 当初は、2023年度には新施設を稼働する計画だったが、今年の7月に幸手市と杉戸町からごみの共同処理の申し入れがあって、梅田市長が「広域課の検討」を打ち出したため、1年~2年遅れる見通しになっている。
 市長は、
(1)10月までに広域化した場合の建設費・維持管理費の試算を行い、
(2)幸手市・杉戸町と「広域化した場合の各市町の負担割合に関する協議」を実施、
(3)菖蒲の建設予定地の地元や周辺地域住民への説明会を行って、
(4)「広域化するかどうかを、12月末までに決定する」
というスケジュールを示していた。

【参照⇒ごみ処理広域化の検討へのリンク】

 ところが、12月議会終了後に開かれた市議会全員協議会に示された「結論」は、「決定を延期したい」というものであった。
 理由は、「菖蒲地区の地元住民をはじめ、周辺住民の合意が得られていない」というのであるが、しかしこれは単なる判断の先延ばしでしかない。

 そもそも「12月末」というタイムリミットの設定は、梅田市長自身が、市議会に明言したことであった。
 市長は、7月以降、広域化のメリット、デメリットを検討し、地元への説明も行って、12月末までに結論を出すという説明を、市議会に対して何度も繰り返してきた。
 そして「12月末までに結論を出す」というのは、恣意的に設定した期限ではない。
 久喜宮代衛生組合、特に久喜宮代清掃センターの老朽焼却炉の運転が限界に近づいていて、最長でも2024~25年まで延命させるのがせいいっぱいで、もうこれ以上は伸ばせないという判断によるものであった。
 遅くとも12月までに結論を出せれば、2年遅れで新施設の稼働にこぎ着けられるだろうという説明があって、市議会としても「容認」してきたのであった。
 しかし結局「12月末」までに結論を出せなかった。

 理由の第1は、「広域化」について、菖蒲地区や周辺住民の理解が得られていないというのである。
 しかし市長みずからタイムリミットとした「12月末」までに合意が得られなかったのなら、広域化を断念して、「久喜市+宮代町」のごみを処理する既定方針に立ち返って進めるしかないではないか。

 第2は、幸手市・杉戸町と、広域化した場合に、建設費や維持管理費の負担割合をどうするかについても、合意に達していないのだという。
 実は、12月市議会の教育環境委員会で、環境部長や担当課長に説明を求めたのだったが、幸手市・杉戸町との間で、負担割合をどうするかの交渉にはまだ入れていなくて、いくつかのシミュレーションを行っている段階だという説明があった。
 しかも現在までには各市町の課長レベルで話し合いをしてきただけで、これから「負担割合に関する交渉」を行って、結論を出すには少なくとも後2~3か月はかかるという見通しであることも明らかになっている。
 これも、「12月末」までに幸手・杉戸との間で結論を出すことができなかったのだから、ここで協議を打ち切るのが当然の判断でないか。

 12月21日の全員協議会で、市長は『年度末までに結論を出したい』という新たな期限を持ち出したのであるが、これには議員の多くから批判の声が上がっている。
 7月に市長がみずから「広域化の検討」を表明して、新ごみ処理施設の建設計画を遅らせたので、今からやっぱり当初の計画に戻るとはいいづらい心情はわからないでもないが、苦し紛れにずるずると結論を引き伸ばすのは止めた方がよい。

50年も運転している全国で最も老朽化した焼却炉

 久喜宮代衛生組合のごみ処理施設の建設計画は、20年も前から迷走してきた。
 ようやく2023年には新施設の稼働という計画がスタートして、7月以降にそれを1~2年遅らせるというぎりぎりの判断をしてきたのだが、もうこれ以上遅らせてはならない。
 久喜宮代清掃センターの焼却炉1号炉は1975年の建設だから、すでに43年も運転してきた。
 これは全国でも最も古い老朽焼却炉であって、当初の計画の2023年まででも48年、2年先延ばしにすると50年で、いつ壊れてもおかしくない炉なのである。
 毎年の改修費は2億円もかかっていて、いわば「だましだまし」運転を続けている状態なのだ。
 市民生活の基盤に関わるごみ処理をこれ以上危険にさらさないためにも、直ちに『結論』を出すべきである。