議員報酬の削減案の協議がなぜ進まないか

 久喜市議会では、市の条例改正案などを議員提案で提出するときには、次のようなルールを定めている。
・定例議会開会の1週間前の議会運営委員会までに、正式な条例改正案の議案として議長に提出する。
・さらにその1週間前の代表者会議に、条例改正案の案文を提示する。
・ただし緊急やむを得ない問題で、全会一致で提出するときには、この「1週間前」のルールは適用しない(定例会が開会された後でも提出することができる)。

 さて、久喜市議会で、新型コロナウイルス感染症対策で、市民の多くが生活不安に陥っている中で、議員も痛みを分かち合うとともに、市の新型コロナ対策の財源として活用してもらおうという話し合いを行ってきた。
 市が設置した新型コロナ対策を進めるための基金に寄付したいが、議員は選挙区内での寄付行為が禁止されているので、報酬を削減して基金積立金にまわしてもらおうという意味もある。
 5月18日に議長から、「議員報酬の削減などについて各会派で案を持ち寄って協議しよう」と呼びかけがあって、25日の代表者会議で協議することになった。
 各会派が案を持ち寄って、全会派で合意案を作って6月定例議会に提出することになっていた。
 全会派で合意案を作ることが前提であるから、「1週間前のさらに1週間前」のルールにとらわれずに、議員報酬削減の議案を提出することができるという共通認識を持っていた(はずだった)。

 ところがである。
 25日の代表者会議で、久喜市議会の最大会派である新政(8名)が、いきなり彼らの会派単独で「7月分の報酬の50%カットという条例改正案」を提出してきた。
 これは、この日に話し合いをして合意案を作るという手順を無視して、一会派が提出した条例改正案を、他の会派も認めろということを意味する。

 もし全会一致の合意案が作れなければ、他の会派が別の報酬削減案を出そうとしても「1週間前のさらに1週間前」のルールがあるから、時間切れで6月議会には提出できないことになる。
 つまり新政は、自分たちだけで報酬削減の条例改正案を先行して提出することで、他の会派が報酬削減案を出せないように出し抜いたということである。
 実際、新政所属の議員が、ブログで「自分たちは報酬削減案を出したが、他会派は出さなかった」と宣伝しているのだが、これはまるで議員報酬削減を手柄争いの道具に使っているとみられても仕方があるまい。
 彼らが議会の絶対多数を占めていた時であれば、こんな乱暴なやり方で通用したかも知れないが、会派構成が変わった今となっては、彼らの思い通りにいくわけもない。
 外部から見れば、彼らのそんな体質が、分裂の一因になったと思えなくもない。

 そして彼らの相変わらずの強引なやり方で、久喜市議会全体の合意を形成できるはずはないと思うのだが、いかがか。
 新政以外の、政策の会、公明党、共産党、市民の政治を進める会からは、それぞれ、報酬の10%3か月削減案、4か月削減案、6か月削減案、6月期末手当の半額削減案などが提示されている。
 新型コロナ対策を巡って“我が会派こそが”というような手柄争いをしている段階ではないのであって、会派間の考え方の違いを踏まえて、話し合いと調整を進めて合意案を作るべきであろう。
 また、市長ら3役の給与一部カットの議案も出される見通しであるが、これとも歩調を合わせて進めなければなるまい。

 6月8日から定例市議会が開会されることになっている。
 久喜市の新型コロナウイルス感染症対策、市民の生活支援をどう進めるのか、6月から小中学校の本格的再開へ向けて子どもたちの学びをどう保障するのか、久喜市政と市議会に課せられた課題は大きい。

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